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「スペース感覚」のすすめ(続き10完)
九.新しい展開を求めて
一七世紀わが国は鎖国に入った。幕府が鎖国を行うに至った目的は、封建的統一を脅かすキリスト教の拡大防止や幕府による貿易の独占的維持などであったと言われている。しかしながらもっとマクロなあるいはエコロジカルな見方も可能で、その方が鎖国の本質を説明するのに良いとこを突いている様にも思えるのだ。その時期は高々数十万人で飽和状態に達していたと考えられる縄文時代から、稲作を導入した弥生時代を経て太閤検地で明らかになった四〇〇万町歩まで拡大された水田が二〇〇〇万人を養う状況になって...
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2008/03/03 21:26 |
「スペース感覚」のすすめ(続き9)
八.空間概念の形成
空間を捉える精神活動の違いがスペース感覚の彼我の差となって現れている例を見てきた。「広い」とか「狭い」といった空間概念は優れて感覚的なものであり、従って精神構造の深部に根ざしている。
和辻哲郎は「風土論」で風土、自然環境が人間の精神構造を形成するとした。しかしそれは単に今日的な意味での自然環境ではなく、常に人間が対峙しなくてはならない最も基本的な生存の基盤としての自然環境と理解すべきだ。自然環境と言えばセントラル・パークの緑くらいしか知らないニューヨークのマンハッタン...
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2008/03/02 17:19 |
「スペース感覚」のすすめ(続き8)
七.絵画や映像におけるスペース感覚
絵画には限られた平面の中に描き手が捉えた空間が表現されている。人類が今日の文化を創り上げる中で絵画は重要な役割を担ってきたといえよう。上手下手があるにせよ絵を描くのは人間の特性だ。その過程で上手な人はプロフェッショナルとして社会的確立した地位を占めるようになった。どのような絵が上手な絵なのかについては民族により時代により異なる。ここではその芸術性を議論しようとしているのではなく、空間の捉え方について考えてみようというわけである。
さて西欧の絵画は遠近法で...
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2008/02/28 17:29 |
「スペース感覚」のすすめ(続き7)
六.土地利用とキャパシティ
ワシントンの滞在の後ヒューストンのエクソン精油所を訪れた。見学のアポイントメントを取り指定の時間に出かけて行くと広報担当者が出迎え、先ずPR映画を見せてそれから精油所内を案内してくれた。ひとわたり見終った後、環境問題を含め種々の私の質問に応じてくれた。ここでも日本に比べ同じ精製量を一〇倍の敷地で生産しているとのことであった。単位面積当たりの精製量は日本はアメリカの一〇倍ということになる。
その後調べてみると、人口密度、道路密度、自動車交通量、工業出荷額等、生活...
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2008/02/26 00:13 |
「スペース感覚」のすすめ(続き6)
五.飛行場
大きな空間を必要とするものに飛行場がある。すでに見てきたように、わが国は稠密な土地利用のため多くの飛行場が騒音問題などいろいろな問題を抱えている。東京では羽田が手狭になったということで成田に新しい国際空港の建設を進めているが、既に開港しているにもかかわらず未だに残った土地収用が不調で予定通り完成していない。関西では伊丹が国際空港として使用されてきた。街の中に立地しているこの飛行場は深刻な騒音問題に悩まされ裁判にもなった。関西経済の拡大に伴い航空需要も拡大し、どうしても新しい飛行場...
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2008/02/22 15:19 |
「スペース感覚」のすすめ(続き5)
四.リゾート
さらに次のことに気が付き愕然としたのだ。わが国では高度経済成長期が進展してくると国立公園の中で別荘分譲地の開発が盛んになりだした。高度経済成長のおかげで所得が増え余暇が生まれマイカーが普及し始め別荘を持つ余裕が人々の間に生まれた。風致景観を守ってきた国立公園は別荘建設の格好の場所として狙われた。一八七二年に世界で最初の国立公園を生んだ米国では国立公園の区域は公園専用として連邦政府が土地を所有している。したがって国立公園の中に個人の別荘を建てることなど考えられない。一方わが国の...
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2008/02/20 17:16 |
「スペース感覚」のすすめ(続きー4)
三.屋敷観と地価
ロンドンでもニューヨークでもワシントンでも世界の大都市の都心部は道路や公園は圧倒的な広さを誇っているものの、そこはビル群が占拠し人工的な空間となっていて東京や大阪と大差はない。しかしひとたび住宅地に足を踏み込めば彼我のあまりの違いに戸惑いすら覚える。特に欧米では住宅街は少し高い所から見下ろせば緑に覆われ一戸一戸の家は緑に隠れてそれを識別することはできない。
一九七五年米国ワシントンで内務省に数カ月間座っていたことがあった。その折隣に座っていた米国人の役人が子供が出来アパ...
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2008/02/18 12:19 |
「スペース感覚」のすすめ(続き3)
二.東京の場合
ところで東京だが一六〇三年徳川幕府が江戸に置かれわが国の政治の一大中心地となって発展した。約一〇〇年後の享保の頃には江戸の人口はピークに達し約一三〇万人に達したと言われている。世界を代表する大都市であった。さらに一〇〇年後の文政には江戸町奉行の管轄区域を明確にした。地図上に赤い線で区域を示したので朱引(しゅびき)と呼ばれ、その広さは約四.七方里、即ち約七五平方キロであった。この中に約一二〇万人の人々が住んでいた。この状態は江戸が終わるまで続いた。幕府は体制維持のため全国から武...
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2008/02/15 15:18 |
「スペース感覚」のすすめ(続きー2)
一.線の文化
縁あって昭和が終わるころ私は二年ほどを大阪で過ごした。職場にも近かった大阪の代表的な街路である御堂筋を歩くのが好きだった。銀杏が黄色に色付く秋は特に心地よかった。この立派な道路がなんと一方通行になっていて、道幅いっぱいに広がった車が「キタ」から「ミナミ」に同じ方向を向いて先を争う様は殺伐として何とも頂けないが、ゆったりとした道幅と四筋に植えられた銀杏並木は「スペース感覚」に溢れて大阪の町に風格を与えている。関東で生まれ育った私にはこの銀杏が埼玉県で実生から育てられ、はるばる大...
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2008/02/11 16:50 |
「スペース感覚」のすすめ
はじめに
バブルに狂った日本経済がメチャクチャになりやっと回復してきたかに見える昨今だが、あいかわらず国にも地方にも膨大な借金が残り何時になったら正常に戻るのか予想もつかない状況だ。夕張市のように財政が破綻するところまで出ている。にもかかわらず、少々景気も上向きとなり全体としては下がっていた地価の動向も下げ止まりの傾向が見えるようになり、一部都心などでは上昇に転じるなどバブルの再来を心配する向きも出ている。しかし、ついこの間バブルで懲りたはずなのにどうしてそういうことになってしまうのか。
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2008/02/06 21:58 |
地球温暖化解決への道筋
はじめに
昨年、日本は異常に暑かった。マスコミは地球温暖化の結果だと報じた。11月には温暖化についての科学的知見に関するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第27回会合がスペインで開催され、その報告を受けて12月にはインドネシアのバリ島で第13回気候変動枠組条約締約国会議(COP13)が開催された。ここでは京都議定書の目標年次(2008~2012)以降の目標のあり方や対策を議論したが明確な方向は出ず引き続き協議することとなっている。今年の夏わが国で開かれるサミットでは温暖化対策が議題...
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2008/01/31 16:51 |